Nossy's stamp






Nossy(のっし-)です。


ここに来て、半沢直樹2(2020年版)を
一気にDVDで観ました。


今回、半沢直樹2を観るのははじめてでした。


以前のブログで観てもいないのに
少し批判的に書いたのを後悔するくらい


素晴らしい出来のドラマでした。

ほんとうによく出来ている。


まさに日本ドラマの粋を結集させた様な
最強の仕上がりになっていたと思います。



前作もそうでしたが、兎に角、
役者陣の演技が秀逸過ぎます。


皆さん、文句の付けようのない
大変なモノですが、


やはり飛び抜けているのは大和田常務を
演じた

香川照之さんですね。
彼の半沢直樹における芝居は

ほとんど神がかっています。


勿論、脚本が素晴らしいというのもある。

しかし、それを何倍も生き生きしたモノとして
表現している。


2013年版の彼は完全に半沢の敵としての
位置でしたが、


今回は完全な仲間ではないものの、
頭取を守るためという共通の目的の為に

共闘する立場として描かれました。


半沢に対する愛憎絡み合う様を
印象に残るセリフ、芝居、表情で

とんでもなく細かく演じ切りました。


特に印象に残ったのは、一番最後のシ-ン。


会議室での半沢とのやり取りです。


「死んでも嫌だね」「沈没」「おしまいです」
と、

このシリーズで生まれた名セリフを
さらっと連続で並べて、

違和感なく展開を進め、


最後は、前作では半沢を追い詰める為に
使ったセリフ

「やれるもんならやってみな」


を、半沢の辞表を破りながら
半沢を憎らしくも応援する意味合いに
変えて云う。


脚本も香川さんの演技もピカイチでした。


いや、勿論、他の皆さんも
全員すごいんです。

でも、僕としては香川さんから
目が離せなかったです。



今回の彼の役どころは前作と違い、
明確に悪役という訳でもなく、

ラスボス的な大物感も与えられていない。

ある時には半沢に無視されたり、
いいように使われたりする。


下手するとホントに無様な小物としてしか
観られないかも知れない難しい役でした。



それが、見事に他の役者さんの個性を
潰す事なく、

その合間を縫うように、

出る時には思いっきり前に出て、

下がる時にはそっと存在をおさえながらも
サ-ヴィス精神満載の合いの手を

入れてくる。



こんな高度な芸当は香川さんにしか
出来なかったでしょう。


明らかなボスという役柄はある意味それに
徹すれば良いので楽といえば楽。



ですが、半沢直樹2の大和田常務は
本当になんとも云えない立ち位置の

難しい役だった。


全体を通して観ていると、
香川さんの演技がどれだけすごいか分かります。



堺雅人の迫力の演技が引っ張っている事は
誰の目にも明らかですが、


本当に素晴らしいドラマというのは
光る名脇役が居る事だと思います。


主人公だけ目立つというドラマは
簡単に撮れます。



しかし、全員にスポットライトがきちんと
当たり、

誰も無駄な動きをしていないというのは
神業だと思いました。


10話というコンパクト感も二重丸。


これは、これからのドラマの
フォーマットになってゆくのでは
ないでしょうか。


昔のドラマの12話というのは
少しダレるかも知れない。

10話というのは丁度良い。


それから、DVD の構成も良かった。

前作のDVDは、1話だけで1巻。

その後は2話ずつ収録して、最終話だけで1巻。


今回はすべて2話ずつおさめてきれいに5巻で
おさめてます。


潔いです。
(特別編で6巻があるのだが)


やっぱりね、どんなに観たいな~と思っても、

最初の巻に1話しか入ってないと
どうも手が出ない。


2話入っていれば
まぁ、観てみようかなって気になります。


勿論、お金を回収したい裏事情は
解るのですが。


アニメもまどマギのように
全12話で、2話ずつおさめて6巻というのが
素晴らしい。



これからのドラマやアニメは
話数は少なくて良いから

それだけ1話に密度の濃い、完成度の高い
展開を盛り込んでほしい。


半沢直樹2は、

小説『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』
という2巻の小説を

10話でおさめるという高密度な内容。

更にそれをブラッシュアップさせた脚本という

極太な内容。

 
今まで散々ドラマ、アニメ、ゲームなどの
シナリオ、場面を観てきた

目の肥えたエンタメ好きな30代以降の人々には


半端な出来栄えのモノではまったく通用しなく
なっています。


どんどんレベルが上がっていく。


それは嬉しい悩みなのですが、
エンタメ業界にとっては大変です。


話がそれてきましたが、

半沢直樹2は名作でした。


まだの方は一見の価値ありですよ。