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Nossy (のっし-)です。


今回は僕の大好きな画家の一人、


熊谷守一(くまがいもりかず)さんについて

語っていきたいと思います🌈✨


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❰熊谷守一・氏❱





2018年、『モリのいる場所』という映画が
公開された。


僕は映画館で観ました。


この映画は、画家、熊谷守一の晩年20年間を
物語風に語るモノでした。



実際、この映画に関しては、実はそんなに
素晴らしいとは思わなかったのだけれど、

(何か所々ギャグが挿入されたり、

宇宙人みたいな存在と会うといった謎展開が

多かったので...)



もっとこの人は素朴で、でも情熱的で

ゆっくりで、世の中に合わせて生きるのが


抜群にヘタクソでした。



それが、すごい共感出来て好きなんです。



彼の描く絵はとっても単純な形態をしています。



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こんなのとか、



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こんなのとか、



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こういう具合です。




しかし、彼も最初からこういう画風だった訳では
ないのです。


彼は、1880年に7人兄弟の末っ子として、

岐阜県に生まれます。




彼の父親は紡績業の会社の経営者で

県議会議員でもあって、



まぁ、簡単な話が、彼の実家は

大金持ちでした。



子どもの頃は、100畳の部屋の真ん中に

一人ポツンと座ってご飯を食べていたとか(笑)



そんな彼は自然が大好きな超マイペースな
子どもでした。


そして、『絵描きになりたい』


というささやかな夢をもっていました。


しかし、父親に反対されます。

そして、


『じゃあ、慶應義塾(今の慶応大学)に1年間通ったら

絵の道に進んでよろしい』


などと言われ、


ほんとうに慶應義塾に合格、

きっちり1年間だけ通って中退。



その後、東京美術学校に通って絵を勉強する。

(むちゃくちゃエリートやん...)


しかも、それを主席で卒業!(ひええ..)



そんな彼の絵はこんな感じ。


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はい。普通に上手いっす。

自画像でしょうか。




のちに、『ヘタも絵のうち』とか云い出すん
ですが、


やっぱりホントにヘタなだけの人は

云えないのか?(笑)



けれども、絵だけではまったく売れず。


まぁ、その辺は今も昔も変わらずという
感じですが。



絵だけでは、っていうか、

この人も、全然世間に合わせられない

のんびり屋さん、自然体の人なので、


実家から出ると、どんどん貧乏になっていきます。

日雇い労働で働く日々。


それでも、別に何かツライという感じでもなく、

あくまでもひょうひょうと、


淡々と生きている感じでしょうか。



しかし、彼の絵のモチ-フとして、

自画像、動物、自然と並んで多いのが、


ズバリ、『裸婦』です。




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フォ-ビズム風の絵ですね。

インタビューで『マティスは嫌い』とか

云ってるのを読みましたが、


影響はモロに受けてるだろうなぁ、これは。




やっぱりね。男性画家は描きますよ。裸婦は。

画家は自分の人生を絵にするんです。



そこに女性が出てこないなんて、

そんな画家は大嘘つきだ(笑)


彼も沢山沢山、裸婦画を描いてます。


彼自身もなかなかのイケメンですし、

そこはあまりピックアップされないけれども、


ロマンスの1つや2つあったのではないでしょうか。




まぁ、しかし、彼の絵が売れる事は一向になく、


友人宅に住まわせてもらったり、

周りの援助を受けながら、


ふよふよ生きます。



42歳で、結婚。


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これ、奥さんを描いた絵だそうです。



そして、5人の子どもに恵まれますが、

ど貧乏だったので、病気になった子どもを


医者に見せる事も出来ず、死なせてしまいます。



その時に描いた自分の子どものデスマスク。


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これを描いている途中で、


『これでは(自分は)人間でなくて鬼だ...』



と愕然とし、描くのをやめてしまったそうです。


ほんとうに純粋な人ですね。



で、必死で絵を描いていたかというと

そうでもなく、


作曲家の友達と一緒に楽器を弾きながら

遊んだり(チェロやヴァイオリンが得意だったらしい)

音の周波数を計測するのに夢中になっていた
そうです。

(めっちゃ理系男子や。てか、絵を描けよ(笑))


...でも、そういうのが、また、

人間らしくて僕は好きなんです。



ハッキリ云って、社会的に云えば、

完全に『ダメ男』です。



でもね、自然に無理せず生きるという事を

まさに王道で体現してくれたような人だったと


思うのです。




子どもにもたいへん好かれていたいいパパだった
そうですし、


猫も飼ってましたが、

いつも、『猫が暮らしやすいかどうか』


について真剣に考えていたそうです。



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もし、これらを聴いて



『コイツ、完全にバカだな』


と思う人が居れば、


世の中に完全に飲み込まれてしまってますよ。



人間にはこうしたゆったりした生き方も

必要だと思います。



忙しさに撲殺されているかのような

この令和の日本人に、


明治生まれの熊谷守一の絵は響きます。



実際、僕は何度、この絵に、この物語に

癒されてきたか。


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この単純さが疲れきった脳をフワ-ッと

解放してくれるんです。



あと、こんなのとか、



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こんなのとか、



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こんなのとか、



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こんなのとか、



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こんなのとか、



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こんなのとか、


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これは他界した年の作品。


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.....


絶妙な所で、



『ん?...何、これ?』



みたいなのがすごいイイですよね。



考えてもいいし、考えなくてもいいんですよ。



大体、彼自身が、


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この絵を、


『別に難しく考えなくても、


一定の赤と一定の青の絵、



とかでいいんじゃないですか?』



とか云う人ですからね。


でも、この発言ひとつ取っても、

彼は相当、知的です。



勿論、単純時代になっても裸婦は描きました。



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こういうシンプルな画風になったのは、

70歳前後からなんです。



だいぶ、遅いでしょ?




で、この作風になってから、はじめて

本格的に世間からは注目されたんです。



ですから、ブレイク? は70歳以降という事に

なります。



大体、彼は多作ではなかったにしても、

ずっと絵は描いていたのです。



美術学校行ってたくらいですからね。


でも、初個展はなんと58歳の時です!



しかも、初個展の題材は、『墨絵』でした。  



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こういう系のヤツです。



もう、味一発!!みたいな作風です。


欲の欠片(かけら)もないですね(笑)



そして、76歳以降は、映画でも描かれていましたが

小さな自分の家をほぼ出ないで、


自由気ままに絵を描き、散歩し、

碁を打ち、寝て、暮らして居ました。



97歳没。






僕は、自分の心がくじけそうになった時に

熊谷守一の人生を、生き方を思い出すんです。



『何でもいいんだよ。そんなに焦らなくても

いいんじゃない?

どうせ人間なんて、自分をそのまんま生きるくらいしか出来ないんだから』



そんな彼の声が聴こえてきそうです。



僕は心が疲れたら彼の絵を観ます。


別に研究をしたり、じっと眺めたりはしません。


なんとなくぼや~~ッ、と。



そんな宇宙のような絵です。



最後に彼の生前の画像がYouTubeにありましたので

リンクを貼っておきますね。


●画家『熊谷守一』94歳-YouTube





ではでは、今回はこの辺で。


皆さんに幸せが訪れますように🌈✨ 



Nossy