Nossy


Nossy (のっし-) です。



大阪は中崎町にある【カフェギャラリ―きのね】さんで
行われた

わたくしNossy の初個展『PLAY』が無事終了しました。



多くの皆様の力をお借りして成り立つ事が出来たと思っており、

感謝します。


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(きのねの店長さんが作って下さった可愛くてカッコいいDM。

私の絵の説明文も店長さんによるモノで、見事に簡潔に私を捉えて下さっていてスゴイです!)





絵を描こうとゆるゆる動きだしたのが3年前。

他の仕事を断ち切って絵一本に専念してガムシャラに描いたのは2年半。


この3年間という私の人生の総決算のような個展でございました。



一人の絵描きが過ごした3年という時間が生み出した
作品が創り出した空間でした。






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まず、店の入り口からタテ180cm 以上もある作品たちがお出迎え。

普通の人は入るのに勇気が必要だったのかも...(笑)






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そして、これが店の一階の写真です。

壁という壁、空間という空間を作品で埋め尽くしました(笑)


写真撮るのを忘れましたが、窓にも作品を貼ったり、落書きしてましたね。



兎に角、私の作品の性質上(ドローイング)、10枚や20枚飾ったところで

大したインパクトは与えられないんじゃないか、というのが


はじめに頭の中にあったのです。



だったら、せっかく広い空間を使えるのだから、出せるだけ出してしまえッ!





という単純な考えでした。

この個展を決めた時に考えていた事は正直それくらいです。





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階段部分。

ここもほぼ作品で埋め尽くしました。写真がありませんが、

廊下やトイレの中にも貼ってましたね(笑)





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で、これが二階。




埋めましたよねぇ。




親の仇のように貼り続けましたね(笑)



この3年間で描いた絵が、ポストカード大の小さなモノから

写真の中にもあるようなかなり大きい作品も含めて



約2000点ありました。



その内のほとんどはなんらかのカタチで展示会場に存在してました。


壁に貼りきれない作品は、一階の机の上に透明ファイルに入れて

展示していました。




お客さんの一部の声ですが、...




『圧がヤバい...』


『コーヒーの味が分からなくなった』


『情報量が多すぎてクラクラする』




みたいな風に云われてました(笑)



あとは、



『云いたい事がたくさんある人なんだなぁ、と感じました』


という印象的な言葉ももらいました。確かにそうかも知れません。




実際、とうの本人はどうだったかというと(結構な頻度で在廊してここの中に居た訳ですが)


流石に自分の描いた絵なので圧力を感じるという事はなかったのですが、

じ―っと眺めていると絵を描いた当時の記憶がフワッ、と


よみがえって来ていたんですよね。



個展のお客さんにもお話させて頂いていたのですが、


私は下書きを一切しません。

更には描く前に具体的に何を描こうかと決めて取り掛かっている訳でもありません。



かなりオートマテックなやり方なんですね。



で、8割くらい描いてから何を描いてるのかだんだん解ってきて

あとの2割でつじつまを合わせたりだとか、


結局、最後まで何描いてるのか解らず終わったりだとか、


なかなか適当で(笑)


ホント、店長さんの描かれていたように童戯ですね。

グラフィティーとかカッコいい呼び方をしてくれた人も居ましたが、




要は落書きですよね。




で、描く時は大抵好きな音楽を聴きながら描いてて。

ただ、紙に線を描いてるのが好きで。



でも、描いているあいだに、ふと最近悩んでる事だとか、知り合いに云われた言葉だとか

なんかいろんな感情や映像が浮かんでは消え、浮かんでは消え、


を繰り返すんですよ。



私はマルチタスクがホントにダメな人間なんですが、客観的に考えて


絵描きながら、音楽聴いて、悩み事考えて...って

結構、頭の中はマルチに忙しいなとは思いましたが(笑)




で、肝心の『何描いてるか』に一切頓着してないっていう。



そういう状態でありながらも、完成した絵をだいぶ時間を置いて眺めてみると

そういう浮かんできた感情や映像、聴いてた音楽、自分のその時の状況が


何となく反映されていて面白いんですよね。



箱庭療法みたいなもんか(笑)




自分の中では



写経



みたいなイメージなんですけどね。


絵を描いてると心が落ち着くし、スッキリするので。



だから、あんまり深く考えながら描くのは得意ではないんです。



無意識の中からイメージをサルベージする感じ?

なのかな。



話が脱線しましたが、個展の会場の中に居た私の心は過去にタイムスリップ

していて、


楽しい事、ツライ事、そういう感情がザッピングしてました。



で、最終的に感じたのが、



『ああ、この空間は私の脳の中なのか』、と。



『私の3年間の脳の記憶の世界なんだな』って。




まぁ、芸術家の個展なんてみんなそういう要素があると思いますが、

これだけ四方八方、自分の作品で埋め尽くされた中に居たので

余計にそう思えました。



今、ひとつの建物が私の脳になっている。

入ってきたお客さんは私の脳の中に入る事になる。




実際に来られたお客さんがどう感じられたかは定かではありませんが、

私はそんな事を考えて面白がって居りました。




そうしてあっという間に時は過ぎて、お片付けして。


photo カフェギャラリーきのね



やっぱり何か寂しかったですよね、この風景を観た時は。



学園祭が終わって、みんなで一生懸命作ったモノを

大急ぎでぶっ壊したり破いたりして、ビニール袋に入れていってる記憶。祭りのあと。



当然、作品は全部ちゃんと自宅に持って帰りましたよ(笑)



初個展を終えて、すごく楽しかった。

まず今まで不特定多数の人に原画を観てもらった事がありませんでしたし、

その反応を観るのもうれしかった。


知り合いも出来たし、なんだかんだで充実した一週間でした。



それと同時に、


私のひとつの人生のサイクルの終わりを感じました。



3年間と云えば、中学校や高校みたいなもんで、


卒業という言葉が浮かんできます。



絵をやめるという事はありません。

そもそも、私は仕事として絵を描く事を意識してこそ居なかったものの、


ほんの小さな頃から一日中絵を描いているような子どもだったのですからね。


一般の会社に入っても、私が絵を何となく描ける事が知れ渡ると

たまに何か店に飾る絵を描いてくれないか、みたいな依頼が来たり

してましたから。





ただ、今は正直いろんな意味で頭の中がからっぽ
なんです。





アウトプットし過ぎてエンストした感じもあるし、自分の状況、環境も変化して

今までの延長線上で創作を進める事は不可能になったんです。



物理的にも、精神的にも。



だから、今は今までの3年間で触れて来なかったモノに接触していこうと思ってます。




全然、消極的には考えてなくて、ほら、ドラゴンボールZの歌の中にもあるでしょう、



『頭からっぽのほうが夢つめこめる~♪』って。




まぁ、特に去年(2018年)なんかは接触も何も、寝ても覚めても絵を描いてるだけの人生で

視界がメチャクチャ狭かったんですが(笑)



でも、そういう時期があったからこそこれだけ破壊力のあるモノが出来たのだとは

思うのですが。


ヒドイ腰痛にも悩まされましたしね。


今はウォーキングしてるんです。一日8000歩以上。

結局それも慣れて来ちゃって10000歩くらいになっちゃってますけど。



腰痛も一瞬で治りました。ずっと整骨院通ってたのが馬鹿みたいに思えた。



ずっと引きこもって絵を描いていた2年半でしたが、

そういえば散歩するのがとっても好きだった事を思い出したこの頃。



新しい人生のサイクルがはじまる。




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長文失礼しました。


それではこの辺で、


皆さんに幸せが訪れますように。




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