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Nossy(のっし-)です。


前回に引き続きビ-トルズの『ホワイトアルバム』
を紹介します。


曲紹介の続きで、Disc1 の後半、

レコードでいうB面を解説していきます。



●曲紹介●


❰Disc 1❱


9. 「Martha My Dear」

...ポ-ル・マッカートニーの作曲です。


ポ-ルが自分のピアノの腕の限界に挑戦しようとして作ったらしいです。


ビ-トルズの曲ではポ-ルがピアノを弾いている印象があるかも知れませんが


プロデューサーのジョ-ジ・マ-ティンが弾いている事も多いですから。



マ-サというのはポ-ルの愛犬です。


この曲の演奏ではギターもドラムも

当然、ベ-ス、ピアノと、

ポ-ルが担当していて、ビ-トルズの他のメンバーは参加していません。


ストリングスは外部ミュージシャン。


「Yesterday」とおんなじパターンですね。


「たとえ一人しか参加していなくとも
ビ-トルズの曲ですよ」


というのはこれ以前から他のメンバーもやっている事ですが、

柔軟な考えだと思います。


まぁ、バンド感はなくなるんですが、

「曲優先」という事なんでしょうね。


10.「I'm So Tired」

...ジョン・レノンの作曲です。


ジョンの怠惰な感じの曲はすごくイイですよね。

ジョンはそういう表現が上手いと思います。


(というか、ジョンは叫んでるか、だらけてるか、

どちらかみたいな感じもありますが(笑))



ただ、この曲の歌詞はかなり切迫していて

追い詰められてしまってます。



「ウォルタ-・ロ-リ-卿を呪ってやる!」

という歌詞がありますが、

彼はイギリスに喫煙の習慣を広めた人物。


インドの講義で禁煙でもすすめられたのか
よく分かりませんが、


「もう一本タバコを吸って...」

のくだりからこの暴言を吐きますからねぇ(笑)


まぁ、日本人の感覚からすると

「もっと真面目に疲れろよ」ってなりそうですが、


海外ではジョ-クの一言でもすぐ云えないと
日常会話も出来そうにない感じも

ありそうですよねぇ。


ジョンのお気に入りの曲らしいです。



11.「Black Bird」

...ポ-ル・マッカートニーの作曲です。


小品ですが、名曲です。


昔、友達と「自分の葬式の時に流してほしい曲は何だろう?」と話していて

友達がこの曲を挙げた時は「へぇ~」ってなりました。


歌詞を見る限りでは

「傷付いても、空に舞い上がるんだ!」


という応援歌なのかな、という印象ですが、

ポ-ルによれば、「Black Bird」とは

黒人女性の比喩であり、


「黒人女性の人権擁護、および解放」を歌ったのだと。

ものすごく社会派の曲なんですね。


私の近頃の思い出としては、『ボスベイビー』という映画を観にいった時に

劇中で印象的に使われていたのを覚えています。



12.「Piggies」

...ジョ-ジ・ハリソンの作曲です。


イギリス王室を感じさせる様な品の良いサウンドですが、

歌詞は上流階級の人々を豚呼ばわりして批判する


ジョ-ジらしい棘のある曲です。


個人的にこの曲、「ぶんぶんぶん」に聴こえて仕方なかったです(笑)


外部ミュージシャンのクリス・ト-マスによる
ハ-プシコ-ドの音がいい味出してますね。


『ホワイトアルバム』は30曲もあるのに

ジョ-ジの曲はA・B・C・D面に各1曲ずつの

たった4曲のみ。


別にジョ-ジがちょっとだけしか曲を作らなかった訳ではありません。


いつも通りジョンとポ-ルの曲が優先されて
ボツを食らったのです。

 
ジョ-ジのフラストレーションがたまるのもムリはないように思いますね。



13.「Rocky Raccoon」

...ポ-ル・マッカートニーの作曲です。


これまた西部劇風。


...ですが、それになぞらえてキリスト教の話が展開されているみたいなんですが、


ちょっと私にはよく理解できません(笑)


ジョ-ジ・マ-ティンが弾いているピアノの音が
めちゃめちゃいい味出してます。


出だしから30秒までの何ともいえない

ラップのようなフラフラしたメロディーは

本番で即興で歌ったとか!


天才ですね(笑)


そんなに目立つような曲ではないと思いますが、

兎に角メロディーがイイです。


ポ-ルが、どんなジャンルの曲でも

素晴らしいメロディーが書ける事を

この『ホワイトアルバム』は証明しています。



歌メロが良い曲にする事で、なじみの薄いジャンルをも

リスナーに広める事が出来る訳ですね。



14.「Don't Pass Me By」

...リンゴ・スターがはじめて作曲した曲です。


カントリー&ウエスタン調の曲でリンゴの趣味のようです。



曲はお世辞にも素晴らしいとは云えませんが、

色々入っている『ホワイトアルバム』にまた別の色を添えているという点では

いいと思います。


はじめての本格的な作曲ですからね。



しかし、歌詞がなんというかとてもカオスです(笑)


ひたすら男が彼女を待っているという内容なんですが、

男の女々しい発言が続きます。


ヘタレだなぁ~、と思っていると、


「君は自動車事故に合って髪の毛も抜けてしまったんだね」


「1~2時間ほど遅れるかもって云ってたけれど

僕はここで待ち続けるよと云ったのさ」



.....???



どゆこと(笑)



何のひねりもない歌詞で終わるのかと思いきや

最後に謎の展開が。


ちょっと恐いですよ、リンゴさん。



15.「Why Don't We Do It In The Road ?」

...ポ-ル・マッカートニーの作曲です。



「なんで道路でやらないんだい?」

「誰も見てやしないんだから」



これしか云ってません。


...なんの話だ(笑)


ブルースのコ-ドで淡々と同じ調子で歌うだけですが、

悪くありませんね。


ジョンとジョ-ジは別の曲に取りかかっていたので

不参加ですが、


どうもジョンはこの曲を気に入っていたようで、


「なんで俺に歌わせなかったんだ、そしたらもっと良くなったのに!」


と、ぷりぷり云っていたとか。


確かにこういうシンプルな叫びが生きる曲については

ジョンは上手いと思いますが、

ポ-ルもそういう事が出来てしまうのです。


そして、ポ-ルが歌うとやっぱりメロディアスになりますね。



16.「I Will」

...ポ-ル・マッカートニーの作曲です。


アコギの弾き語りです。


素晴らしいメロディーですね。


ポ-ルはこんな曲を幾らでも生み出せそうです。


一番の注目はベ-ス。


これはポ-ルが口でベ-スの音を出してます。


ボイスパ-カッションですね。


ほんとうに何でも出来る男です。


17.「Julia」

...ジョン・レノンの作曲です。


「I Will」の後に同系色のこの曲をもってくる妙。


恐らくポ-ルとジョンで呼応している感じでしょうね。


「彼女に向かってラブソングを歌うよ」という歌詞ですが、

タイトルの「ジュリア」とは

ジョンのお母さんの名前です。


何だろうと思っていたら、曲中に

「Ocean Child...」という歌詞が。


海の子?

...洋子!


そう、オノ・ヨ-コさんの事ですね。


オノ・ヨ-コさんはジョンの7つ歳上。


ジョンは彼女というよりお母さんのような女性を

探していたのかも知れません。



ジョンのお母さんはジョンにバンジョ-を教え、

それがジョンを音楽の道へ進ませるきっかけと

なりました。


家庭環境が複雑だったジョンは色々あった後、

親戚のミミおばさんの家に預けられます。


それからだいぶ経ってジョンが14歳の時に

母ジュリアは車にはねられて死んでしまいます。



それはジョンに深い傷を残します。



それを癒し、妻というより母親の役割を果たしたのが

オノ・ヨ-コさんだったという訳ですね。




.....



はい、という事でB面の紹介が終了です。


あまりネタがなくて申し訳ありませんね(笑)



このB面は全体的に小品が並ぶ

「アコースティックサイド」と云えそうです。


A面と違って、キラキラしたような主役級の曲は

一曲もないんですが、


様々な種類の楽しげな曲がメドレーのように
並んでいます。


特にポ-ルの曲の数が多く、しかも1つとして同じような種類の曲がないのには脱帽します。





さて、次回はC面の紹介をしていこうと思いますので

よろしくお願いします。


では、また。