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Nossy (のっし―) です。




ピカソに関する面白い逸話は山のようにあるのですが、


その中でも取り分け有名なのが次のエピソ―ドです



30歳のピカソが通りを歩いていると、

向こうから女性がやって来てこう云いました。


『あなたのファンです、良かったら絵を描いて貰えませんか?』



そこでピカソはそこにあったハンカチか何かに
30秒程で美しい絵をパッ、と描いたのです。



そして、ピカソは女性にこう云いました。



『この絵は100万ドルです』

(日本円で約1億円ですね‌)




女性はびっくりして尋ねました。


『どうして30秒しかかかっていない絵が
100万ドルなのですか?』



ピカソは云いました。




『30年と30秒ですよ』






詰まり、その絵を描いた時間は30秒だったかも知れませんが、

その絵を描く為には、30年以上の経験、
思案、練磨が必要だったという訳で、



物の価値とはそういうモノすべてを引っくるめて総合的に判断されるべきだという考え方です



これはピカソだから成り立つんでしょう?



とか、

そういう特殊な話ではなくって、




とっても大切な考え方だと思います





芸術家の方は、どう表現したら良いのでしょうか...

言葉を選び兼ねますが、



みんなとても良い人です


ん❓ ちょっと違うか。

人が良い、 


かな。



私が云いたい事をハッキリと云うならば、


『芸術家の皆さん、あなた達は自分の価値を低く見積り過ぎていますよ』



という事なんです。


これは私がこうやって今の様に絵を描く仕事一本にしぼって暮らし出してから

とても痛感した事なのです。




かなり泥臭い事を書きますが、別に利益主義な訳ではなくって、


上記の事実によって、たいへん多くの才能ある芸術家さん達が

その才能を十分に発揮できずに脱落していく姿を観たからです。



現実の例を出すのが良いかも知れません。



私は今、『ポストカ―ド』を中心に描いて、


それを売って暮らして居ります。




本格的に絵をはじめたばかりで、

大きな絵を描くのが難しいという理由で
ポストカ―ドを選び、


多くの方は複製を売られているんですが、


【ポストカ―ドの原画】を売ったら珍しいし、

喜んで貰えるんじゃないか、


という考えもありました。



で、


【原画の値段が高い】



というのは何となく皆さんの頭の中にあると思うんですが、


かといって、



たかがポストカ―ドなのに、


値段が何万円もするっていうのは

流石にオカシイだろうと。



そういう疑問はあると思います。


しかし、私は初期の頃はほんとうにポストカ―ドしか描いて居ませんでしたし、

それしか描けませんでした。


詰まり、


それが売れた利益だけが私の生活費になる、




という訳ですね。



だから、もし私がポストカ―ドは通常
200~300円くらい、


でも、原画だから、思いきって1000円にしてしまおう!



と設定したとします。



この状態で仮に100人の方に作品を買って貰う事が出来たとしましょう。


100人の方に作品を買って貰えるなんて、

最早、大盛況です。


しかし、私の売り上げはというと、


1000円 × 100人 = 10万円 

です。



一人暮らしをされている方ならお分かりだと思うんですが、


10万円で生活が可能でしょうか❓



という。


確かに余裕はほとんどありませんが、
完全に不可能ではないかも知れません。




毎月100枚描いて、毎月100枚売れたら、の話ですが。






私は自分で本格的に商売をはじめたのは

この1年間くらいですが、


それ以前も、絵だけでなく、音楽や舞台など

様々な芸術家さんの居るような場所に


何となく身を置いてきたのです。


そして、皆さん、とんでもない才能をもって居られるんですが、


誰もかれもがまったく売れて居ません。



で、勿論、運はあると思いますが、


自分の価値を低く見積り過ぎているのも

とても大きな原因ではないかと思います



私の場合も、


『ポストカ―ドなのに何万円もするなんてオカシイ』


という意見は少なからず頂きました。



でも、それこそ一番最初のピカソの例を出すまでもなく、


作品が小さかろうが大きかろうが、

下手に観えようが上手かろうが、


その芸術家のそれまでの人生が詰まっている魂のかけらには違いありません。




【商品】としての視点しか無いから、


価値がとんでもなく低くなってしまうんです。



作品は、【人】で評価するべきです。



その絵は誰にでも描ける訳ではありません。


『いやいや、こんな下手くそな絵だったら、簡単に模写できるよ』


っていう問題でもありません。


その人が今まで生きてきて、その人生を背景に描く事によってしか生み出されないモノなのです。


それが、複製画ならまだ分かります。


しかし、自分で生み出した作品そのものとなると、


大抵のモノは矢張、ある程度の価値はあると思います。



私は今回はお客さんよりも芸術家の方にメッセ―ジを送っています。


いや、値段を無闇に高くしなさい、


と云っている訳ではなくって、


『自分を安売りしないで下さいね』



『ちゃんと生活が成り立つ様に商売のシステムを構築してくださいね』



という事なんです。



あなた達はもっともっと価値があります。


その価値をまずは自分で発見して居なければ、

お客さんに発見して貰う事も出来ません。



もっと自分に自信をもって下さい。


それだけ努力されているのだから。




シャネルのバッグは高いですよね❓


で、私はブランドには疎いんですが、


高級な素材で出来てはいるのでしょう。


が、【バッグ】は【バッグ】ですよ。


しかし、例え同じ素材を使って別のバッグを作って売っても、

シャネルのバッグより高くは売れませんよね。


なぜか❓


あれは、シャネルの【バッグ】についている値段ではなくって、


【ココ=シャネルの人生】

に対しての評価額なんです



だから、【商品】としてではなく、

【人】で評価するという事なんですね。



それがほんとうの意味での【ブランド】なのでしょう。





という事で、



★実はこの日記の後半の泥臭い部分は、

この日記を書いてからかなり経ってからの加筆です。



はじめはもっとぼんやりとした事しか書いて居ませんでした。


私自身も、頭の整理が出来ていなかったからです。


しかし、パッ、と考えがまとまったので、

大幅に修正、加筆致しました。


新しい日記を書こうかとも思ったのですが、

過去の日記を見返すとちょうど良い感じの
この日記を発見したので

ここに足しました。





一人でも多くの素晴らしい芸術家さん達の

才能が花ひらくために



皆さん、自分を大切にして下さいね



そして、




皆さんに幸せが訪れますように



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